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地球人的生活について定期購読したい

 ここだけ別の惑星なのだと思う。

 先日、鞄の中身を整理した。私の鞄は様々な本がしこたま入っているために、ちょっとしたトレーニング器具と化しているのだが、ベルトが引きちぎれそうになっているのを見て流石に「これはどうか」と思ったのだ。
 書籍がやたらめったら入っているのはもはや仕方ない(アイロンで糊を溶かしカッターで分冊するなどの工夫は凝らしたので、免罪してほしい)として、ポーチがあまりに嵩張っていることに気がついた。
 私は筆箱の他にポーチを一つ持っている。青いストライプにとぼけた顔のムーミンがプリントされている。かわいい。ムーミンは白くて柔らかそうなので好きだ。この理屈だと餅でもいいことになりそうだが、とにかくこのポーチ自体は気に入っている。しかし、パンパンなのだ。あのむちむちのボディを持つムーミンにすらダイエットを勧められてしまいそうなほどである。藤色のあんがみちみちに入ったアンパンだったら最高なのだが、これはポーチなのであまり最高ではない。
 何が入っているんだ。
 確認したところ、というか入れたのは私なので確認するまでもないのだが、主に文具、それから鏡とささやかな化粧品が入っていた。糊が種類に応じて二、三本入っていた他に不要なものがあるようには見えない。
 なんなんだ。
 容量に問題はなさそうに見える。形状が横から見ると台形なので下部にやや入れにくい印象はあるが、それでも小さくはない。標準的なポーチだろう。でも食後よろしく膨れている。
 他の人はこの問題をどのように解決しているのか。しばしば明らかに私より荷物が少ない人のほうが準備がいいという場面に出くわす。この浅ましく膨れたポーチにはハサミすら入っていないし。
 社会に馴染みのいい人は、ポーチに入れるものを選別する力があるように思う。必要なものとそうでないものの取捨選択が上手いのだろう。そしてそれは私に備わっていない能力なのだ。だからポーチは膨れ、鞄のベルトも千切れる。
 人はポーチに何を入れているのだろうか。私にはポーチが分からぬ。百億光年の孤独を感じる。火星よりも遠い。

 もしかすると、地球人はこのようなときに雑誌を読むんですか?